妄想癖を治す方法をこの記事で提案します。
例えば
- 頭の中に妄想ばかりが浮かんできて重要な事に身が入らなくなった。
- 妄想のせいで、現実世界での行動に変調をきたしてしまいそう。
そんな人がいるかもしれません。
あなたがこの記事を読んで苦しみや悩みが軽くなったら嬉しいです。
妄想を消す方法-1、ちょっとだけ解き難い問題を解く
ちょっとだけ難しい問題を解く。
これは、脳科学者の中野信子さんの著書『脳は、どこまでコントロールできるか』の中で書かれてあった方法です。
要するに、妄想で締められている頭の中を、ちょっと難しい問題を解くことで「意識を削ぐ」方法です。
道路で次々に走ってくる車のナンバーをの4つの数字を足し算する。
なんていう方法もありかもしれません。
この方法は、プロ野球選手のイチロー選手がやっていたという話を聞いたことがあります。
イチロー選手は、妄想癖を治す為ではなく、判断力を上げるためにしていたようですが。
私も、時々やってみるのですが、車の走り去るスピードについて行けず、逆にフラストレーションが溜まってしまいました。
もうちょっと、解けた時に喜びのあることをしたほうがいいかもしれませんね。
妄想を消す方法-2、呼吸に集中する
どの方法でも重要なのは、妄想が浮かんできた時に、それを自覚することです。
気がつくと妄想していることが妄想癖の人の悩みだと思いますが、いつかは「あ、妄想に時間を費やしてる」と気づくと思います。
それに早く気ずく訓練は必要です。
そこで、ここで紹介する方法は、呼吸に集中する方法です。
これは、『瞑想』の中の技術のひとつです。
頭に妄想が浮かんできたら、その妄想は放っておき、鼻から入ってくる空気を感じます。
同じ呼吸を感じる方法には、お腹の膨らみで感じる方法もあります。「膨らんだ膨らんだ、緩んだ緩んだ」
普通に自分の呼吸に意識を向けて感じるだけでも効果はあります。
それだけではなく、3秒で吸い1秒止めて4秒で吐くとか、それぞれの肺活量にあった呼吸瞑想を考えるといいと思います。
ちなみに、吸う時間より吐く時間のほうをゆっくりすることで、自律神経系の副交感神経が優位になり、心をリラックスの方へと導くことができます。
大事な勉強や仕事が、妄想によって邪魔されるのが悩みだという人にはどうかと思いますが、休憩に入る時間などに行えば、「意識集中+リラックス」効果があり、もし妄想によってストレスを感じているのであれば、それを和らげる効果は絶大です。
妄想を消す方法-3、自分の行動を実況中継する
自分の行動を実況中継する。これも、瞑想の一種です。
瞑想というと、座禅のように、目を閉じて何か一点に集中して無心の境地になるための修行のように思われがちですが、それとは違う、自分に気づく『気づきの瞑想』が、妄想癖を治すにには効果があります。
座禅をしなくても、普段の生活の中でできる方法なのですから。
この『気づきの瞑想』は、お釈迦様(ブッダ)が提唱された瞑想です。
原始仏教では『ヴィパッサナー瞑想』と呼ばれています。
「仏教」なんてのを出すと怪しまれるかもしれませんが、そんな怪しいものではありません。
この「気づきの瞑想」のやり方は、見出しで分かりやすく書いたように、「自分を実況中継する」という方法です。
なぜこれが瞑想なのか不思議ですが、これをやっていると妄想が止まるのです。でも、なんとなく分かりますよね。
やり方は簡単です。
自分が今どうなっているか、どう感じたか、どんな行動をしたか。
そのまさに「今」を心の中で言語化するのです。
例えば、
「立った」
「右、左、右、左」(足の動き)
「ドアを開けた」
「声、聞いた」(小さい子の声がした)
「考えている」(妄想が浮かんだ時)
ここで↑のように妄想が浮かんだ時に「考えている」とか「思考している」とか「妄想、湧いた」などと気づき(サティと言います。)を入れてあげると、妄想の連鎖を止めることができるのです。
この方法なら、仕事中にもできるかもしれません。
通勤中なら絶対できます。
妄想で「心ここに在らず」になりがちな人に効果があると思います。
呼吸への集中をプラスすれば完璧
この『気づきの瞑想』に呼吸への集中をプラスさせれば完璧です。
というか、元々はひとつの方法です。
自分を観察しながら「気づきの解説」を入れながら、妄想や情動の変化が湧き上がってきたら、意識的に呼吸を整えてやるのです。
呼吸をととのえる=心を落ちつけるということです。
そして、勉強や仕事に戻りましょう。
「妄想は、自分ではない」という考え方
「妄想は自分ではない」という考え方があります。
この考え方は、元仏道家の小池龍之介さんの説法の動画を拝聴して知った考え方なのですが、なるほどと思わされました。
小池龍之介さんは、説法の中で「思考は自分ではない」と言っています。
なぜなら、思考は、脳が勝手に演算処理して反応しているだけ。
自分の意思でもなく勝手に反応している現象が「自分」(心)と言えるのか?
という事らしいです。
ここからは私なりの解釈ですが、こういうことです。
妄想なんてものは、脳という肉の塊に電気が流れて反応を起こしたに過ぎないのです。
妄想は過去の記憶の組み合わせに過ぎない
妄想は思考の連鎖反応です。
嗅覚以外の五感は、脳の視床という部位を通過して脳の各部分へ情報が送られて「思考」が生み出されます。
しかし結局、自分が体験して記憶されたものの中からしかチョイスできないのです。
創造性のある芸術でも、作者の脳の中にある記憶のチョイスの組み合わせの妙でしかないと言えます。
妄想は、創造的に感じられるかもしれませんが、それは細かな記憶の断片の継ぎ接ぎで生まれたいい加減なものと考えられます。
妄想を分析することで理性を取り戻す
好きな人の前で、全くおかしな行動をとってしまうことってあります。
その、好きな人についての頭の中で妄想が、現実の世界にいる相手を前にして、ギャップが出来てしまい、妄想の中での2人の関係との違いで調整が取れなくなり、挙動不審な動きをしてしまったり、声が上ずったり…。
そんなことがあったって、別にいいと私は思いますが。
恋という現象が理性を破壊してくれるっからこそ子孫が繁栄されると中野信子先生も仰っています。
でも、そんな挙動不審な自分にさよならするには、考えかたを変えるしかありません。
しつこく言いますが、妄想は自分の不正確な過去の記憶の断片のミックスされたいい加減なものだということ。
そんな現象に操られてはいけない。
妄想も、なぜこんな思考が今湧いてきたのかを分析できれば、自然に止まっていきます。
妄想癖を治すメリット・デメリット
妄想癖を治すことは本当に良いことなのでしょうか?
妄想癖に悩んでいる人にとってはそれがなければもっと自分はいいセンいけるだろうと考えるでしょうね。
私も高校時代、授業中に窓の向こうの海側の風景を見て、そこからゴジラが上陸してくる妄想をいつもしていました。
ゴジラがユッサユッサと歩いて、学校のグラウンドの向こうの自衛隊駐屯地で自衛隊からの攻撃を受けながら、そのまた向こうに見える石油基地に進撃していくという情景を、シミュレーションしてワクワク妄想していました。
馬鹿でしょ。
おかげで、成績は低空飛行でした。
そんな話はさておき、中には妄想の世界を現実と結ぶつけることによって、ノーベル賞を取ったりの大発明に行き着く人もいます。
妄想なしに発明もありませんし、みんなが感動するようなアートも生まれません。
人々を感動させるラブソングも恋愛小説も、妄想が生み出したフィクションです。
現実にあった話が元ネタだったとしても、それは自分から見た世界観(妄想)から作られたのであって、相手方は、全く違う感覚だったでしょう。
名曲『なごり雪』は、女性が故郷へ帰った後、駅に1人残された状態の男性の心象を歌った半分フィクション半分ノンフィクションの男の側からの妄想ソングです。
もしかしたら、故郷へ帰る列車に乗っている女性のほうの心象風景は全く違った世界なのかもしれません。
しかし『なごり雪』は時代を超えた名曲として残っています。
ということで、妄想のメリットは、
発明を生み出してくれる原動力となってくれること。
そして、妄想癖のデメリットは、私のように本分に集中できずに、成績が落ちてしまう。
私も、高校時代に妄想癖を治す方法を知っていれば、違った人生になっていたかもしれません。
あなたは、この記事を読んで、妄想癖を治す気になりましたか?
良い妄想が湧くようにするために
私が常々感じていることなのですが、
『湧いてくる妄想も情動によってチョイスが左右される』
ということです。
気分が晴れやかな時はやはり、良い妄想が浮かんできますし、心がネガティブな状態の時は、悪い妄想ばかりが湧くものです。
したがって、ネガティブな情動が強い時ほど自分を観察し「気づく」必要がありそうです。
「妄想に入っている」と気づけば妄想は止まります。
ネガティブな情動も、脳が勝手に反応してる。脳という肉の塊に電気が流れただけだ。悩みなんてただの脳内処理なのだ。
ただそれだけ。それだけのことです。
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