赤面してしまっている時は、自律神経の交感神経が優位になって緊張している状態です。
この、交感神経優位の状態を、副交感神経優位の状態に変えてリラックスすることにより、赤面を抑えることが出来るようになるでしょう。
副交感神経優位の状態とは?
自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスをとって、無意識の領域で人間の生命を支えています。
赤面している時は、脳の大脳辺縁系という情動を司る部分から、視床下部という自律神経を調整している部分が刺激を受けて、交感神経が優位になっている状態です。
交感神経は、「闘争と逃走の神経」と呼ばれ、心身を活動的方向に導く神経ですが、赤面するような場面、すなわち緊張する場面はまさしく、恥ずかしくて逃走してしまいたい気持ちと自分自身が闘っている状態。交感神経が優位に働いています。
この状態を抑えるには、副交感神経を優位にしてやることです。
副交感神経は、交感神経と逆の方向に働きます。
交感神経が活発へ導くのと反対に、副交感神経は「安静」「リラックス」へと心身を導きます。
副交感神経を優位にする方法は?
交感神経も副交感神経も、自律神経ですから、基本的には自分の意志ではコントロールできません。
しかし、脳の使い方で間接的に影響を与えることができます。
情動をコントロールする
赤面などの、緊張は、大脳辺縁系という脳の中では古い脳に属する部分が作る「情動」が、視床下部にまで影響を与えることによって交感神経が有利になってしまうのが原因です。
前頭前野を優勢にして情動を抑える
大脳辺縁系が作る強い情動をコントロールするためには、脳の「前頭前野」という「新しい脳」を、大脳辺縁系よりも、より多く働かせることで、それが可能になります。
前頭前野と大脳辺縁系のどちらかが主として働くと、片方の働きが抑えられるのです。
脳の前頭前野は人間が他の動物とは違って、特別に大きく発達した、人間を人間たらしめる脳の部位です。知性を司る部分です。
前頭前野を使うとは、「情動」がなぜ発生しているかを、第三者となって客観的に分析し直すことが出来るのです。そうすることで、生き過ぎた情動が薄まっていきます。
例えば、
とか、
などと、言語化して分析しているうちに前頭前野が情動脳の大脳辺縁系よりも優位になり、交感神経優位を鎮めていってくれるのです。
要は、興奮した時に他のこと考えたり、冷静になって考え直すと、やってたことがアホらしく思えたりすることってあるじゃないですか。
簡単に言うとそれです。
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情動を抑えて副交感神経を優位にするいくつかの方法
前頭前野を優位にして情動を抑える方法の他にも、副交感神経を優位にする方法はあります。
呼吸を整える。
最近、流行の「マインドフルネス」と呼ばれるものです。「瞑想」と同じようなものですが、瞑想という呼び方が、宗教的なものを連想させるので、最近はマインドフルネスと呼んでいるようです。
リラックスすることが目的です。リラックスすることで、副交感神経を優位に導きます。
息をゆっくり吐いている時に、副交感神経が優位になっていくと言われています。
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手を開いた状態にする
白熱したスポーツの試合や、アクション映画などを観て、「手に汗握る」なんて言いますが、これは緊張して交感神経が優位になっている状態です。
怒って、拳をぐっと強く握っている状態も交感神経が強くなってしまっている時です。
前頭前野の思考能力が下がっている状態ですから、怒りのままに相手に暴力を振るってしまうということが起きたりするわけです。
これとは逆に、手を開いた状態にすると、副交感神経が優位になるそうです。
怒って「このやろう!殴ってやりて〜」と感じて、拳をぐっと握るのとは逆の動きをするということです。
この人と話すと赤面するな〜と思ったら、両手のヒラを開いて、相手に見せるくらいにしてみると、副交感神経が優位になって、緊張が和らぐかもしれません。
まとめ
赤面したら、赤面しそうになったら、
もうまとめて試してしまおう!
赤面しているときは、
- 前頭前野で客観的に分析し直し
- 呼吸を整えながら
- 手を開いていると
副交感神経優位の状況になり緊張がほぐれ、
リラックスした、いつもの自分になり、スムーズに話ができるようになるでしょう。
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