赤面症や赤面恐怖症は、いわば見えない的と戦っているようなものです。
好きな人に対する時、その人を考えるだけでも赤面症してしまう。
突然、好きな人の名前を誰かが出しただけでも自分の顔が赤くなってしまう。
誰だ!私に赤面症という試練を与えたのは!
どうして!よりによって自分だけが赤面症なんだよ!
神様なんとかしてくださいよ!
という苦しみ。
色々と、考え方を変えてみたりしても、結局治らない。
心の中にいる見えない意地悪な悪魔。
まあ、他人に言う時は言えるものです。
赤面症なんて気にする必要ないと。
しかし、知らぬ間に心臓の鼓動が、脈拍が上る。
自分が何をしたわけでもないのに。
しかし、最近になって、「脳科学」という分野で、「心」の成り立ちが解明しつつあります。
顔が赤くなる理由は脳科学を理解すれば理解できる
脳科学という言い方をすると堅苦しい感じがしますが、けっこう、『高校の生物』で習ったくらいの内容でも、顔が赤くなる仕組みのようなものは理解できます。
それに付け加えて「脳と心」に関する簡単な書籍を1冊ほど読めば、おおかたの心の仕組みは理解できます。
あなたが、恥ずかしくて赤くなってしまうメカニズムもほぼ分かってしまいます。
心なんてない。それは脳内の現象です
心は、結局、脳の中で作られているのです。あなたの意思も悩みも脳が決めているのです。
好きな人の話題で、赤面してしまったら、「オレのせいじゃない!脳のせいだ!バカバカ!脳ミソのバカ!」と脳を叱って責任転嫁してしまいましょう。
そして、次の目的に即座に移ればいいのです。
新しい発見によって、通説が変わってしまうことも将来あるかもしれませんが、現在解明されていて、私たちにも理解できる範囲で、脳がなぜあなたの顔を赤くさせ、ドキドキさせるかの仕組みを理解していきましょう。
赤面症や、脈拍が上る理由が分かっていれば、それは未知の謎の攻撃者ではなくなるのですから。
心は脳細胞間の電気の流れにすぎません
心なんてものは脳科学で言い換えれば、脳細胞の間で電気信号が流れて起きる自然現象に過ぎないのです。
顔が赤くなる理由も、脳内で電気が流れて、情報が勝手にやりとりされて、情動というものが生まれるだけなのです。
赤くなってしまう恥ずかしさも苦しみも、客観的になって説明すればそういうことです。
自律神経の「交感神経」が強く働くと赤面や心拍数を上げさせます。
「交感神経」普段は悪い奴じゃありません。人間が快活に行動するために働いてくれています。
しかし、過剰に働くと良くないことばかりが体に起きてきます。
好きな人を意識して、顔が赤くなる時やドキドキする時は、交感神経がいつもより強く働いています。
この交感神経の興奮も、元を探れば脳の視床下部から指令を受けた脳下垂体から分泌されるホルモンで操作されています。
なぜ、交感神経が高ぶってしまう?
交感神経、副交感神経を含めて「自律神経」と言います。
この自律神経は、脳の「大脳辺縁系」の視床下部と脳下垂体という部分から情動刺激を受けます。
従って、大脳辺縁系によって情動が発生すると、自律神経が影響を受けるのです。
赤面症のあなたに当てはめるなら、
「好きという情動」が大脳辺縁系で発生すると、自律神経の、交感神経を高ぶらせます。
交感神経が高ぶった結果として、顔が赤くなったり、心臓がドキドキしたり、手に汗を掻いたりします。
脳科学を勉強して場面によって人の脳内を実況しよう
脳科学を勉強することで、自分の意思ではどうしようもなく湧き出る感覚を理解し、少しは冷静になれます。
例えば、あなたが意識し過ぎて顔が赤くなったら、今までは「なんで、赤くなってしまうんだ!!!どうしよう!」と、パニックになってシドロモドロになっていたかもしれませんが、
脳科学を知っていれば、
なんて、自己分析することによって冷静になれます。
そして、目の前にいる人の、脳内の情動変化も分析できるようにもなります。
そうやって、冷静に状況を分析できている時は、脳の前頭前野が古い脳よりも優位に働いている時です。