脳科学者の中野信子さんの著書『サイコパス』を遅ればせながら拝読しました。
100人に1人いると言われているサイコパス。
本を読みながら、私の人生の中で出会った何人かの人物が、頭に浮かんだり、消えて行ったり…。
そして、この本を読んで思ったことは、サイコパスと呼ばれる人の特徴が、私がこのブログでテーマとしている、赤面症や赤面恐怖症、あがり症の人達の、対極に位置するということでした。
サイコパスの考え方を知ることで、赤面症や、あがり症が克服できるかもしれない。
そんな考えが浮かんできました。
サイコパスの特徴は、赤面症の真逆ばかり
もし、あなたが、あがり症で赤面症なら、「サイコパス」の本を読まなくても、サイコパスがどんな人間か分かるでしょう。
なぜかと言えば、サイコパスの特徴は、あなたの性格とは正反対のキャラクターだと思えばいいわけですから。
サイコパスの特徴
あなたと真逆だよと勝手に言わせていただきましたが、では、サイコパスの特徴とは、どんなところでしょう。
いくつかあげてみます。
- 魅力的で社交的
- 衝動的
- 反社会的
- 人ころがし的なところがある。
- 大胆な決断が出来る。
- 大舞台で、堂々として見える。
- 恐怖や不安を感じにくい。
- 挑戦的で勇気があるように見える。
- 共感性が低い
- 批判されても折れない、懲りない。
- 嘘をつく。
- 自律神経の反応が一般人より弱い。
- 「恐怖」「悲しみ」を察する能力に欠ける。
- 心拍数が上がりにくい(緊張しない。)
- 扁桃体の活動が低い。
- 扁桃体と前頭前皮質の結びつきが弱い。
中野信子 著 「サイコパス」から引用
どうですか?
赤面症、あがり症のあなた。
ご覧の通り、あなたの性格や考え方と正反対だと思ったのではないですか?
そして、あなたはこう思ったかもしれません。
サイコパスの特徴の中に、自分がこうであったらいいのにと思っていたような行動様式があるなと…。
私は、そう思いましたよ。(私も赤面症です。)
サイコパス的な傾向を持っていても社会的に成功している人は沢山います。
恥ずかしいという感覚がなく、緊張とは無縁だったり。
あなたが、ちょっと、目標にしていた人物。自分に無いものを持っているあの人。
え!それが実はサイコパスの要素だったのか?!
サイコパスと、すぐ赤くなる人の行動を対比してみよう
赤面症の人はサイコパスにはなれません。安心してください。
あまりにも違いすぎるサイコパスと赤面症の人の考え方の違いをくらべてみましょう。
サイコパスは魅力的で社交的、赤面症は?
サイコパスは魅力的で社交的なのだそうだ。
社交的とは明るい性格でグイグイ人の輪に入って行けるタイプの人ということです。
赤面症の人はこの逆で、シャイなので、そんなふうにはにはなかなかできません。
でも、シャイな人って、私は魅力的だと思いますけどね。
サイコパスは人ころがしである
サイコパスは魅力的に見えるので、人を巻き込んでいくことができます。
人ころがしが上手です。
赤面症の人は、緊張しがちなので、自分を低めにプレゼンテーションしがちです。人を巻き込んでいくなんてことはなかなか出来ません。
サイコパスは大胆な決断が出来る
サイコパスは大胆な決断、行動ができるのだそうです。
サイコパスが世の中のためになるのは、彼らが大胆な行動をして、閉塞感をぶち壊してくれる時です。
赤面症であがり症の人は、悩んで悩んで、消極的な決断をしがちです。
サイコパスは大舞台で堂々として見える
大企業のCEOには、サイコパスが多いのだそうです。
ほら、新製品の紹介で、ジャジャーンと発表する彼の人たちです。
恥ずかしがり屋さんじゃ出来ません。
赤面症の人も、アファメーションをやって、俺だってあのくらいのこと普通に出来ますよと、自己催眠をかけていきましょうよ。
サイコパス恐怖や不安を感じにくい。
サイコパスが羨ましい〜!サイコパスになりたいくらいだ!
赤面症の人は、そんなことまで考えてしまいそうです。
生まれつき、恐怖や不安を感じにくいなんて、なんて優れた才能なんでしょう。
これには、やはり脳の特性があるようです。
サイコパスは扁桃体の活動が低い
脳の扁桃体は瞬間的に恐怖に反応する部位です。
意識で反応するより早く恐怖反応をおこさせるのです。
肉食動物に喰われないように脳がそのようになっているのです。
その扁桃体の活動が低いがゆえに、恐怖感を感じにくいのです。
それにくらべて、あがり症赤面症の人は、扁桃体の過活動の傾向があります。
今のところ、扁桃体の過活動を抑えるのに効果があるのは、「瞑想」(マインドフルネス)です。やってみる価値はあります。
サイコパスのようにならなくてかまいません。なれないんですから。
サイコパスは扁桃体と前頭前皮質の結びつきが弱い
人の脳は他の動物とくらべて前頭前皮質が発達しています。
野生的に恐怖に反応する扁桃体を、「思考」でコントロールするのが前頭前皮質です。
しかし、両者の結びつきが弱い。それに加えて扁桃体の活動が低いとなれば、悪い行い(普通は怖くなる)をする時に、自嘲が効きません。
あがり症や赤面恐怖症の人は逆です。
エレーヌ・フォックス教授の著書「脳科学は人格をかえられるか?」では、
扁桃体から前頭前野へ向かう経路のほうが、前頭前野から扁桃体へ戻る経路よりずっと数が多い〜
と言っています。
つまり、普通の人であっても、前頭前野の情動コントロール能力と扁桃体の恐怖反応のバランスは、扁桃体に分があるということになります。
あがり症の人は、このことがより顕著なのでしょう。
これも、訓練で多少コントロール出来ることは分かっています。
前頭前野を多く働くようにする癖をつけたり、自分を客観視するトレーニングです。
例えばヴィパッサナー瞑想などです。
自律神経の反応が一般人より弱い
自律神経の反応が弱いということは、環境変化に鈍いとも言い換えられます。
自律神経が過敏に反応すると、ドキドキと心拍の鼓動が乱れたり、嫌な汗を掻いたり、顔が赤くなったるするわけです。
あなたも自覚あるでしょ。
そんなふうになりにくい。もしくはならないのです。サイコパスは。
これは普通ではないですよね。
サイコパスより赤面症で良かったという考え方
赤面症、あがり症の人からしたら、欲しくてたまらない性格的特徴と考え方。
それが、なんとサイコパスのそれと重なる部分が多いという事実を知ってあなたはどう考えますか?
実は、閉塞感を破るかのように、前へ前へと突き進んで行くあの人が、共感力も弱く、人を踏み台にして出世して行くタイプだったら。
あなたは、このような人、サイコパス的な人を、羨望の目で見る必要はないのです。
あなたはあなた。
で、いいのではないですか?
関連記事